絵本バーの店主が選ぶ怖い絵本・トラウマ絵本6選
こんにちは。北九州の絵本と児童書のバー、鏡の中のアムリタです。
夏ということで、先日は怖い絵本を特集しての営業をしました。
その際に選んだ絵本の紹介と軽いレビューをしていきます。
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大人にはあんまり怖くないかも!トラウマ絵本
「ねないこだれだ」せなけいこ
読んだことがある方も多いのではないでしょうか。
まさかのハッピーエンドで終わらない幼児向けの絵本です。
そのあたり結構異色だと思うんですが、とても長い間人気があり親しまれている絵本です。
今読むと、切り絵ならではのはっきりとした色使いと、リズム感のある文章が気持ちいいんですよね。
お化けのかわいさと仕打ちのひどさのギャップを楽しんだり、このあとこの子はどうなるのかな?と想像したりしながら読みましょう。
「もじゃもじゃペーター」 ハインリヒ・ホフマン
トラウマといえばの伝説的絵本、もじゃもじゃペーター。
親の言いつけを守らなかったり、良くない行いをする子供たちが徹底的に悪い目に逢うオムニバスです。
感情の伺えない絵柄に、子供たちへの仕打ちのひどさが結構バイオレンスなのも相まって、これは怖いですよ。
とはいっても、いろんな方が絵を描いていて、世界中で親しまれている絵本です。
作者のハインリヒホフマンの故郷であるドイツ フランクフルトには、もじゃもじゃペーター博物館なるものもあるみたいですよ。
いってきた方は教えてください。
「しばてん」 田島 征三
ネット情報では、トラウマ絵本として恐怖を植えつけられた子供が多かったみたいなので入れてみました。
日本の民話を基にしただけあって、ストーリーはしっかりしているのだけれど、少し悲しいお話なんです。
おおらかで勢いのありすぎる絵とあいまって、子供にとっては恐怖なのかもしれません。
とはいえ普通に良いストーリーなので、日本昔話とか、とくに「泣いた赤鬼」とかが好きな人にはぜひ読んでほしい絵本です。
「ジャリおじさん」 おおたけしんろう
この不条理さとシュールさが、大人でも結構怖いという人がいるかも。
めちゃくちゃで好き勝手で、ぼくはかなり好きな本です。
ジャリおじさんが無表情のまま旅をして思いつくままいろいろする絵本です。
としか言えない・・・。かなりシュール。
長新太さんとかシュール系が好きな人はぜひ読んでほしい絵本です。
「じゃりじゃり」がかわいく思えたらほぼ勝ち!
大人でも怖い!ほんこわ絵本
「かがみのなか」 文 恩田陸 / 絵 樋口 佳絵
有名作家とイラストレーターのコラボで怖い本を作るというすごい企画の「怪談絵本」シリーズ。
怖い絵本といったらこれでしょう。
今回はその中でも私の一番のお気に入りの「かがみのなか」をチョイスしました。
恩田陸さんが文を描いているということで、言葉選びが絶妙
また、イラストも不安定で、リアルとアンリアルの間をさまようように不思議な世界に連れて行かれます。
大人でもじっくり読むとマジで怖いので、暗い部屋でひとりで読んでみてくださいぜひ。
シリーズものでいくつも出てますので気に入ったら全作制覇してみてください。
「おぞましい2人」 エドワード・ゴーリー
これは・・・子供の読む本じゃない・・・。
絵柄につられる子供は少ないと思うけど、偶然読んでしまった場合は運が悪いとしか言いようがない。
それでもゴーリーの中では最もとっつきやすい絵本だと思います。
不条理さがない・・・いや、あるんだけど。
深く読むと、理解はできる。強いメッセージ性があるから。
とにかく、世の中の悪いことに嫌気がさしたら、一度読んでほしい絵本ではあります。
福祉とかの仕事をしてると、すごく突き刺さる。
あとがき含めてとても考えさせられる絵本でもありました。
いかがでしたでしょうか?
子どもは自由な発想で、作者が意図したところと違う受け取り方もしてしまいます。
それによって「なんだかわからないけど怖い」絵本って、誰しもあったと思うんです。
そんなことを思い出しながら、昔読んだ絵本を読み返すのも、面白いかもしれませんね!
ビブリオバトルってなんだろう?初参加の感想を語るよ。
好きな本って思わず語りたくなっちゃいますよね。あのシーンが好きだ、登場人物のここに共感する、作者の書き方が絶妙、装丁が素敵…そんなありそうでなかった本についてとことん語る機会を存分に楽しめるのがビブリオバトルなのです。
先日、はじめてビブリオバトルに参加したのでそのルールと実際に参加した感想についてお伝えしたいと思います。
ビブリオバトルのルール
ビブリオバトル普及委員会によるとビブリオバトルの公式ルールはこちら
発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる.
順番に一人5分間で本を紹介する.
それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う.
全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員一票で行い,最多票を集めたものを『チャンプ本』とする.
ポイントはチャンピオンのバトラーを決めるわけではなく、チャンプ本を決めるといいということ。プレゼンの上手な人を決めるわけではなく、あくまでも読んでみたい本を決めるためのバトルなんですね。
ビブリオバトル開始!
今回わたしは初めてだったので、観客として参加しました。今回のテーマは「大人に読ませたい子どもの本」。5人の大人が思い思いに絵本や児童書を持ち寄りました。
ビブリオバトルのプレゼンの持ち時間はひとり5分。ライブ感を大切にするために、パワポや資料の配布などをしないことが原則となっています。5分のプレゼンというのは意外に長いものですが、好きな本について思う存分語れるからか、どのバトラーもとても生き生きとしていて、飽きることなく全員のプレゼンを聴くことができました。
プレゼン後のディスカッションでは、その本にまつわる多くの質問が飛び交いました。観客もビブリオバトルに主体的に参加できる貴重な時間です。観客がその本に興味を持ったことがぐっと伝わります。
いざ投票!
投票できるのは1人1冊です。いざ投票となると、ものすごーく迷いました。もともと読みたいと思いながらもその機会に恵まれなかった本はますます読みたくなりましたし、逆にこれまで手を出したことのないジャンルの本もプレゼンを聞くことで面白そうだと思うようにもなりました。
投票の結果、無事にチャンプ本が決まりました。今回のチャンプ本のプレゼンターはなんとビブリオバトル初参加。どんな結果になるのか全く予測がつかないのが、ビブリオバトルの面白いところです。
ちなみに、それ以外の本も票がきれいに分かれていたとのことでした。好きな本、心に響く本がひとりひとり異なるのが興味深かったです。
ビブリオバトルを終えて
ビブリオバトルは初参加でしたが、自分ではなかなか読まないジャンルの本に新しく出会ったり、好きだった本の面白さを再発見できたりして非常に有意義な時間を過ごすことができました。
そして、何よりも参加者との交流が楽しかったです。本があいだに入るだけで、初対面の人ともあんなに楽しく話せるんですね!今回は鏡の中のアムリタでの開催だったので、みんなでお酒を飲みながらのゆるーい会だったのですが、本は最高のツマミだなあと実感しました。
次回は是非ともバトラーとして参加したい…!自分の胸にそっと誓う夜となりました。
最後に…ビブリオバトル面白そう!どうやってやるの?ってなったあなたにオススメの一冊。漫画だからさくっと読めちゃいますよ。
夢のような2時間!ポップサーカスに行ってきたよ。
カラフルなサーカスのテントって観ているだけでわくわくしますよね。しかも、それが全国各地を移動しているなんて夢とロマンがありすぎる!!!北九州にポップサーカスがやってきたので最終日最終公演を観てきました。
ポップサーカスとは
ポップサーカスは世界各国のトップパフォーマー達を招いて日本全国を巡業しているサーカス集団です。
陽気なメキシコ人兄弟によるジャグリング。エチオピアからやってきた屈強な男たちによる迫真のアクロバット。中国雑技界トップクラスの息をのむパフォーマンス。唯一の日本人女性アーティストによるしなやかで美しい空中演技。そして、ステージの合間合間を笑いで盛り上げてくれるピエロ達…
超人的な肉体&技をもつ彼らのパフォーマンスは緊張・興奮・感動の連続で、あっという間に2時間が過ぎ去っていきました。観客は子ども連れが多かったですが、大人でも十分楽しめる内容でした。むしろ、技の至難さが理解出来る分、大人のほうが楽しめるんじゃないんでしょうか。
ポップサーカスのチケット価格
ポップサーカスのすごいのはチケットがとても良心価格であること。
前売り券(当日券はプラス300円)
自由席:大人2500円 子供2000円
シルク●ソレイユが一般の席で7500円、S席で11000円もすることを考えると、どちらが気軽に足を運びやすいのかは一目瞭然ではないでしょうか。いつかの帝国劇場でみた圧巻のミュージカルやみんなが大好きディ●ニーに決してひけをとらない高クオリティなパフォーマンスショーでしたが、それをこの誰にでも手が届く価格で提供しているのは大衆娯楽文化としてのサーカスの懐の広さをみせてもらったような気がします。
ポップサーカスの自由席と指定席
私は今回前売りの指定席で入りましたが、結果として指定席で良かったと思いました。最終日最終公演ということもあって、指定席券はすべて完売、当日自由席には長蛇の列ができていました。私は指定席券だったので、開場の時刻に到着して売店ドリンクやポップコーンを買ったりしてから、ゆっくり席につくくことができました。
また、自由席は舞台の一番端だったり、テントの支柱と重なったりして、舞台全体を見渡しづらい場所に設定されていたので、そういう意味でも迷っているのであれば指定席をとることをつよくおススメします。
また、私の前の席は人数分の自由席券+4000円で入れるプレジャーボックスシート(定員4名)でした。こちらはボックス席で周囲に気兼ねなく観れるので、じっとしているのが苦手な小さいお子さんがいるご家族なんかにはとてもよい席だと思いました。プレージャーボックスシートは舞台の一番前にあるため、ピエロとの絡みなんかがあったりするのも楽しそうでした。
ポップサーカスに行こう!
サーカスに行ったのは実は今回がはじめて。子どものときに行けてたら、きっとサーカスのパフォーマーを目指したくなってただろうなあ!と思えるぐらい刺激的で夢のような時間を過ごしました。「どのくらい練習したんだろう?」とか、「移動しながら暮らすってどんな感じなんだろう?」とか、団員の暮らしに思いを馳せるのも、きっとサーカスの楽しみ方のひとつですよね。今回は滑り込みで間に合ってよかった。また北九州来てほしいなあ…
最後におまけでサーカスといえば…!な絵本をご紹介。
そう、みなさんもご存知中原中也の 「ゆあーん、ゆよーん、ゆやゆよん」です。教科書等で読んで記憶に残っているひとも多いのでは。サーカスをみたあとにこの絵本を読むと、中也独自の視点が際立ってさらに面白かったです。